押し問答(Drive into ……? ※大学生Ver.)

 

「……いやだ」
 これ以上ないくらい眉間に皺を寄せられてしまった。

「……先輩、あの、」
「何度でも答えは同じだ。いやだ」
「分かります、けど」
「分かるんならいいだろう」
「そういう……」
「口で俺に敵うわけないんだから、諦めなさい」
 大人ぶっている口調の割に内容は子どもだ。確かにオレが諦めれば、それで済む話なのだろうけど……。

「でも……」
 あまり使いたくないが、あえてこらえて。
「お願い、しても駄目ですか?」
 先輩の顔色が微妙に変化した。嬉しそうな嫌そうな、複雑な色に。
「……三十分だけなら」

 先輩は余程オレに車を運転させるのが嫌らしい。
 だって折角免許を取ったのに。
 あらゆるとこに先輩と行きたいけど。
 アンタばっか疲れるんじゃ、意味ないだろ?

 

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